みなさま、はじめまして。函館市で発達診療に携わっている医師の高橋和俊と申します。
ブログを始めようと思ったきっかけは、この分野にかかわるようになってそれなりに年数も経ち、これまで学んできたことをできるだけ多くの人たちと共有していくべきかな、と思い始めたからです。今までは、自分が持っている情報の価値についてはあまり自信がなく、個人情報保護という観点からも情報発信については消極的な立場でした。ところが最近になって、講演会などに呼んでいただいたり、総説を書かせていただく機会が増えてきたことで、私のような在野の臨床医でも、それなりにみなさまにお伝えできることがあると思うようになりました。
簡単に自己紹介をさせていただきます。私は、1965年、仙台市生まれです。1989年に東北大学医学部を卒業し、その後2年間、仙台市立病院小児科で研修医としてトレーニングを受けました。1991年~95年には大学院に在籍し学位を取得、その後1年間を東京都立清瀬小児病院の非常勤医師、2年間を国立精神・神経センター武蔵病院のレジデントとして過ごしました。1998年から4年間、東京小児療育病院に勤務し、ここで障がい児(者)医療の基礎を学びました。
2002年から1年間は、英国のChild Mental Health Learning Disability Service(小児精神保健知的障がいサービス部)という児童精神科の多職種クリニックでClinical Attachment(見学研修)を経験し、発達障がいや知的障がいの子どもたちへの診療を学びました。このクリニックは応用行動分析や認知行動療法を導入していたことが特徴的で、日本とはずいぶん違った診療スタイルを経験することができました。
2003年から1年間は、米国ノースカロライナ大学医学部精神科TEACCH部(現TEACCH自閉症プログラム)で自閉症支援の基礎から実践までを学びました。自閉症の人たちへの深い理解を基礎にした支援の考え方は、今でも私の臨床の根本をなしているといってよいでしょう。この期間には、TEACCHだけでなく、PECS(応用行動分析に基づくコミュニケーション学習の体系)やADOS-G(自閉症診断のための構造化された行動観察法)の研修も受けることができました。
帰国後の2005年から、社会福祉法人侑愛会(おしまコロニー)が運営する、ゆうあい会石川診療所の所長として働くようになり、2009年には併設の、おしま地域療育センターの所長も兼任するようになり現在に至っています。
学会資格としては、日本小児科学会小児科専門医、日本自閉症スペクトラム学会自閉症スペクトラム支援士(EXPERT)、そしてTEACCHプログラムのCertified Practitioner(公認実践家)の認定を受けています。
私は臨床医としてはいわゆる名医ではなく、たくさん失敗し、多くの方に多大な迷惑をかけながらここまでやって来ました。ただ、そういう私だからこそ、みなさまと共有できるものがあるのではないかと思っています。
これから、ぼちぼち書き綴っていこうと思います。このブログが多少なりともみなさまのお役にたてれば幸いです。