31. 「モンスター・ペアレント」

私の職場、おしま地域療育センターは、支援のレベルという意味でも、地域への貢献という意味でも、まだまだたくさんの課題を抱えた未熟な施設です。でも、そんな弱小施設でも、私が誇りに思っていることがあります。その一つは、スタッフ…

30. 「できる人」の罠

「できる人」「優秀な人」と評価されることは、うれしいものです。努力が認められたように感じるでしょうし、さらにやる気が出るかもしれません。「自分は、できる」と感じることが、自分にとって大きな支えになることもあります。基本的…

28. 重要な原則ほど普遍性が高い

私は、難しい問題に突き当たったときには必ず一度「原則」に立ち返ってみることにしています。その場合、その原則がどれだけ幅広い状況に当てはまるか、という「原則の普遍性」を必ず考慮しています。 例をあげましょう。自閉症の人に対…

26. ソーシャルスキルは英会話と似ている

以前、このブログでConnie Kasariの論文について取り上げました。自閉症スペクトラムの小学生に対してソーシャルスキルトレーニングを行った場合と、周囲の子どもにピア・サポートの指導を行った場合では、前者では本人のソ…

25. 薬物療法の難しさ

私は外来で薬の処方をすることがあります。発達診療においては薬物療法が根本治療になることはほとんどなく、特定の問題に対する対症療法としての位置づけになります。たとえば、睡眠障がいや自傷行為、多動や注意集中の困難などです。薬…

23. 世界自閉症啓発デーにかける思い

毎年4月2日は国連が定めた「世界自閉症啓発デー」、それに続く4月2日~8日は「発達障がい啓発週間」です。4月2日とその近辺には、世界中でランドマークのブルーライトアップをはじめとした様々な啓発イベントが行われています。こ…

22. 不完全さの魅力

私は若い頃、いわゆる本の虫でした。特に夢中になったのはヘルマン・ヘッセでした。ヘッセの作品には大好きなものがたくさんあるのですが、特に私にとって特別な作品となり、何度も読み返したのが邦題「春の嵐」(原題「ゲルトルート」)…