7. おしま地域療育センターのミッション・ステートメント

私の職場、おしま地域療育センターでは2011年からミッション・ステートメントを策定し、活動の基本としています。これはいわば、地域に対する私たちの約束であり、職員一人ひとりの役割は、このミッションを各自の専門性を生かしつつ実現していくことです。この中の「2. 支援」には、前回の投稿で述べた3つの障がいモデルの視点が盛り込まれています。

現実には思うようにいかないことも少なくないですが、このミッション・ステートメントが絵に描いた餅にならないように、理想に近づくための改善を粘り強く積み重ねていきたいと思っています。

このミッション・ステートメントは、決して不変のものではなく、時代や地域のニーズ、そしてみなさまの声によって変化していくものでもあります。みなさまには、私たちの活動を温かく見守っていただくと同時に、厳しいご指摘、ご指導をいただければ幸いです。

<おしま地域療育センター ミッション・ステートメント>

私たちは、発達に心配な点を持つ子どもや大人とその家族が幸せに暮らしていけるように、次の5つを基本に活動します。

1. 敬意と共感
利用されるすべての方に対し、敬意と共感を持って接します。

2. 支援
発達特性に起因する困難に対して、次の3つの視点から支援を考え、実行します。
1) 医学的・発達的な視点:その人の持つ特性を医学的・発達的な視点から適切に捉え、それに沿った支援を実行します。
2) 社会的な視点:その人の持つ特性と周囲の環境とのかかわりを考え、その人にとって分かりやすく、安心・安全で、力を発揮しやすく、暮らしやすい環境を作るための支援を行います。また、当療育センターをそのような場所とします。
3) 文化的な視点:その人自身、ご家族、周囲の方々が、お互いをかけがえのない存在として尊重し、ともに自己肯定感を持って生活していけるような支援を行います。また、その人やご家族の自己決定を尊重すると同時に、肯定的な選択ができるように支援します。

3. 連携
ご本人とご家族が安心して暮らせる道南地域にするために、かかわる人たちや関係機関と連携し、リーダーシップを発揮します。

4. 研鑽
利用される方々とご家族は私たちにとって第一の師であり、そこから学び続けます。また、客観的な根拠に基づく最適な支援を行うことができるように、常に研鑽を積み、最新の情報を集めます。さらに、各自の専門性を高めると同時に、狭い専門分野に偏ることなく幅広い視点から支援できるように、様々な立場の人たちから学びます。

5. 経営
私たち自身をこの地域の貴重な資源と考え、よりよい支援を継続するために安定した経営を目指します。

函館で発達にかかわる診療をしている医師です。

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