5. 菊田まりこさんの絵本

もう15年ほど前になりますが、東京都下に住んでいたころ、板橋区立美術館で開かれていた「ボローニャ国際絵本原画展」に毎年通っていました。菊田まりこさんの絵本に出会ったのは、東京暮らしが始まって5年目の1999年のこと。その年の原画展でボローニャ児童賞・特別賞を日本人が受賞したということで、大きく取り上げられていたのです。

受賞作品は、「いつでも会える」でした。

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とても小さな絵本ですが、命の尊さと永遠性を感じさせてくれる、心に残る作品です。

そして、ペアで出版されていたのが、「君のためにできるコト」でした。

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必ずしも言葉では上手に伝えられなかったとしても、そこにあふれるほどの思いがあるかもしれないことを、そして、言葉だけが伝える手段ではないことを思い起こさせてくれる作品です。

個人的にも、仕事の上でも、命にかかわるような場面や、うまくコミュニケーションできない状況は、決して縁遠いものではありません。久しぶりにこの2冊を手に取ってみましたが、なんだか思い当たるところがあって、改めてじーんと来てしまいました。

東京を離れて、板橋区立美術館にもすっかりご無沙汰していますが、また機会があったら原画展に行ってみたいですね。

函館で発達にかかわる診療をしている医師です。

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